2009.02.12　作成　
2009.05.24　update

１．信号の基本的な意味

　本ページ下の一覧表を参照していただければ解るように、基本的に日本と韓国の信号機が示す意味は同じですので、あまり迷うことはないでしょう。

　ただし、日本と違う部分もいくつかあるので、その点は注意が必要です。

２．韓国は日本と信号の順番が逆

　日本と韓国の信号で、一番注意しなければならないのが、左折（日本の右折に相当します）です。

　後述するように、韓国では、交差点における左折は原則禁止されているのですが、信号等によって許可されている場所もありますが、その信号の出方が日本とは異なるのです。

　日本では、矢印のある４灯式の場合、青→黄色＋青色矢印→黄色→赤が多かったと思いますが（地方によっても違ったような記憶が…）、韓国の場合は、赤＋青矢印→黄色→青→黄色→赤　と青矢印の出る順番が、一般の青信号よりも先（もしくは同時に出て先に消える）ので、注意が必要です。

　また、青信号には「左折可」の意味はありませんので注意が必要です。

　…　そうそう、左側通行の日本と右側通行の韓国では、色の並び順も逆で、左から「赤・黄・青」の順です（日本は「青・黄・赤」ですよね。）

信号機の点灯順序

方式	点灯順序
４灯式 　「赤・黄・青矢印・青」	赤・青矢印（同時）→黄→青→黄→赤 　交差点・交通条件により、特に必要があると認められる場所では、信号の順序を変更したり、青矢印と青を同時点灯することも可能 　赤・青矢印（同時）→黄→赤→青→黄→赤 　青・青矢印（同時）→黄→赤 　赤・青矢印（同時）→赤・黄（同時）→青→黄→赤 　青・青矢印（同時）→（青・黄（同時）→）青→黄色→赤
３灯式 　「赤・黄・青」	青→黄色→赤
２灯式 　「赤・青」	青→赤

１．赤・青矢印（同時）→	２．赤・黄（同時）→	３．青→	４．黄→	５．赤

３．赤信号でも右折可

韓国では、赤信号であっても、一般的に、右折が可能です。　

しかし、以下の２つの場合は、右折が不可となっています。

　1)　信号に従った左方向からの直進車の妨害となる場合

　2)　路側にある右折用補助信号（歩行者信号柱の側面に設置）が「赤」または「黄」の場合

　3)　道路標識によって規制している場合

　ただし、歩行者がいなければどんどん右折していってしまうケースの方が多いので、歩行者や信号待機時には注意が必要です（同じ理由から、歩行者も、左から来て右折していく車には注意が必要です）。

　また、路面ペイントで、一番外側の車線が、直進と右折レーンになっているからと言って、赤信号で直進するために信号待ちをしていると、後ろから来た右折車にクラクションを鳴らされたりしますので、できれば、一番外側の車線で信号待ちをするのはやめた方が精神的に良いと思います。

補助信号によって規制されている例。 横断歩道がある場所に設置されていることが多く、また、右折禁止にかかわらず、直線部分でも設置されていることがある。	道路標識によって右折が禁止されている例（中央線漢南駅前） 補助標識には「赤信号時」とある。つまり、この交差点は、赤信号では左折は認められていない。

４．青信号でも原則左折不可

韓国の場合青信号でも、原則左折は不可です。

ただし、以下の場合については左折が出来ます。

	�@　左折用矢印信号に従って左折する場合（単なる青信号では左折は左折不可！！） ちなみに、左の補助標識は「停滞時進入禁止」となっています。ココは左折が原因で渋滞になってしまう（特にバスの左折）ので、この表示があると思われます。
	�A　信号機の横に「비보호 （非保護）」標識がある交差点（道路標示のみの場合もあり）で、青信号に従って左折する場合 　ただし、事故発生時は青信号に従っていても法的には保護されず（だから「非保護」）、信号違反の責任を問われる。
	�B　信号機の横に「左回転」標識がある交差点で、「적신호시（赤信号時）」等の補助標識の指示に従って左折する場合（補助標識のない場合は矢印信号に従う） …ただし、あんまり見たことがないような気がしますが。。。
※　なお、韓国では、「左折」と言わずに「좌회전 チャーヘジョン：左回転）」、右折と言わずに「우회전（ウーヘジョン：右回転）」と言います。 　タクシーに乗ったときも使えるので覚えておくと良いでしょう。

【追記】2011年より信号システム変更

※　上記のように紹介してきた信号システムですが、2011年から、日本型のシステムに変更するとの報道がありましたので、参考までに引用しておきます。

88年間続いた交通ルール変更、右側歩行へ 　 記事入力 2009-04-30 11:19:08 タグ 　左折信号後に直進信号に変わる現在の交差点の信号が、2011年からすべて直進優先の信号に変わる。左折信号が廃止されれば交差点での信号の待ち時間が現在の半分程度に短縮され、通行がスムーズになる。1921年から施行されてきた歩行者の左側通行も、現状に沿って右側通行に変更される。 　国家経済競争力強化委員会、行政安全部、国土海洋部、警察庁は29日、このような内容を骨子とする「交通運営体系先進化方案」を発表し、交差点での信号待ち時間などを米国や欧州、日本のように改善すると主張した。 　まずは2011年からすべての交差点の信号順序が直進優先に変わる。現在、韓国の交差点の7割は左折信号の後に直進に変わるか、直進と左折を同時に認めるシステムだ。だがこのシステムは、圧倒的に多い直進車の流れを困難にしており、2011年からすべて直進車主体に変更される。 　具体的には赤、黄、左折、青の4色の信号が赤、黄、青の3色に変わる。 　先進国のように、左折車は直進信号の際に左折するということだ。このシステムが導入されれば、現行の四つの点灯パターン（南北直進、南北左折、東西直進、東西左折）を二つ（南北直進、東西直進）に減らすことができ、待ち時間も140−180秒から先進国並みの60−120秒に短縮することができる。 　また、交差点を通過する車の速度も時速13キロ程度アップする。ただし政府は、直進信号の際に左折する車が事故を起こす危険性などを考慮し、都心での制限速度を時速50キロ以下に引き下げ、道幅の広い道路では4色の信号を維持することにした。 　赤の点滅信号の割合も増加する。現在深夜と早朝に点滅式に変わるのは全体の16.2％、休日だけ変わるのは1.1％だが、今後はこの割合が大幅に増加する。 　歩行者がいない夜間、休日にも赤信号を維持していたため、多くのドライバーが信号を無視し、通行の流れを悪くしていた点が考慮された。 　一方、右折はこれまで横断歩道の青信号の際にも通行が許されていたが、今後は制限される。ほとんどの国で歩行者の安全のため、これを原則的に禁止している点を考慮した。政府はその代わり、右折専用の信号などを導入する方針だ。 　現実にそぐわない歩行者の左側通行も改善される。地下鉄の改札口や回転扉、エスカレーターなど多くの場所では右側通行に合わせて設計されているにもかかわらず、歩道のない車道で左側通行を規定した道路交通法を無理やり適用していた慣行を改める。 　政府はこうした対策を講じた理由について、交差点の混雑などによる交通渋滞の費用、温室効果ガス排出による社会的費用が年間25兆8000億ウォン（約1兆8800億円）を超えるためと説明している。 　李吉星（イ・ギルソン）記者 　朝鮮日報／朝鮮日報日本語版
［参考URL］ 　http://jp.cyworld.com/news/news_read.php?news_post_code=1000021584&startpos=&search_mode=category_1&search_index=10004 　http://jp.cyworld.com/news/news_read.php?news_post_code=1000021585&startpos=&search_mode=category_1&search_index=10004